星は動いてる

偶然の出会いが迷い人の明日を輝かす物語と日々のこと

子供の日に思うこと

河川敷の鯉のぼり

晴天に恵まれた子供の日
河川敷では鯉のぼりが泳いでいました。

子供たちよ健やかに・・・。

子供たちを育てているお父さん、お母さん、(お父さんお母さんに代わる人)。
子供を育てるには大変な時代ですよね。でも頑張れ!

子供を持つこと、育てることでしか見えない景色があります。

あなた達の景色がたくさんの喜びに満ちた景色となることを祈っています。

あゆむの場合(2)

あゆむ の場合(1) からのつづき

「先ほどの女性との話のことでしょうか」
「はい。盗み聞きするつもりはなかったんですが、気になってしまって。」
少しためらうような表情をみせ、占いの女性が口を開く。「占星術でみた運勢鑑定だったんです。」
占星術・・・。占い師さんなんですか?」迷惑そうな対応でもなかったのをいいことに、続けて質問する。
「いえ。私は占い師ではないです。この店の従業員です。」
「えっ。でも先程のお話の内容からは、占い師さんという感じでしたけど・・・」きっぱりと否定され少々戸惑う。
「私はプロの占星術師ではないんです。ご希望される方に無料で鑑定させていただいてるだけなんです。」
「へぇー。」自分でも驚くくらい間抜けな声が出てしまう。
「私も占ってもらうことはできるんですか。」 (おいおい唐突すぎるだろう。)
プロの占い師でない占いの女性はあっさりと「大丈夫ですよ。ただいくつかお願い事がありますので、それさえご納得いただければ・・・。」
「どんなことでしょう。」

「まず、生年月日、お生まれになった場所、時間を教えていただきます。」
「時間って・・・。」
「お生まれになった時間です。」
「時間は判らないなぁ」 少し不安になり答える。
「お生まれの時間が、とても重要になります。皆さんお判りでない場合が多いので、母子手帳に記載の出生時間を確認していただくようお願いしています。」
「時間かぁ・・・。調べてみます。」
「お母様に確認していただくのが確実かもしれません。」
「なるほど。母に確認してみます。」
「もうひとつは、鑑定の内容は、こちらのお店でお伝えさせていただくということです。電話やメール等でのお伝えはしておりません。ですのでもう一度お店に足を運んでいただく必要があります。お近くにお住まいでしょうか。」
「いえ。近くというわけでは・・・。でももう一度伺うことはできます。」
「そうですか。わかりました。」

(自分が目撃したあの光景は、そういう流れからの光景だったんだ。あの30代くらいの女性も鑑定結果を聞きに来ていたんだな。納得だ。)

さらに占いの女性が話を続ける。
「あともうひとつは、鑑定の結果を聞きに来られた際のお願いになります。お客様には、飲み物ともう一品、例えばケーキなど注文していただくようにお願いしています。陽子さん、あ、この店のオーナーなんですが・・・陽子さんは構わないとおしゃるのですが、仕事を中断し、お店の一席を占領してしまうので、お客様にはご協力いただいています。あ、もちろんサンドイッチやスパゲッティーなどの軽食でも大丈夫です。」
(シルバーヘアーの女性、オーナーさんは陽子さんっていうんだな)「大丈夫です。了解しました。」
「生年月日、お生まれになった場所、時間をお伝えいただいてから最低でも3日はお時間いただいています。もし明日火曜日にお伝えいただいたとしたら、結果をお話させていただくのは土曜日以降となります。生年月日、お生まれになった場所、時間をご連絡いただいた際、鑑定内容お伝えのため再度ご来店いただく日時のご希望をお伺いします。ご希望日時に添えない場合もありますので、その際は再度調整というかたちとなります。」
「解りました。で、連絡はどのようにしたらいいんですか。」
「通信手段はLINEとさせていただいております。普段お使いですよね。」と占いの女性。
「はい。使ってます。」
「少々お待ちください。」彼女は小走りでカウンター奥へ向い、携帯を手に戻ってきた。
「では、お友達登録をお願いします。通信手段以外での使用はしませんのでご安心下さい。ご必要がなくなれば解除をお願いします。基本、お客様からのご連絡に私が返信させていただく形となります。私からお客様へご連絡することはないとお考え下さい。」
「了解しました。」
「では、ニックネームでも結構ですので、お名前を教えていただけますか。」
「あゆむです。」と伝える。
「あゆむ様ですね。では、あゆむ様からのご連絡お待ちしております。」
「あのー。僕もお名前おうかがいしてもいいですか。」
「失礼しました。私は、ともこ といいます。」
「ともこ さんですね。ご連絡しますので宜しくお願いいたします。とりあえず今日のところはこれで・・・。お会計お願いします。」

つづく・・・・・

 

松山旅行

道後温泉駅

松山 道後温泉へ行ってきました。松山への旅行が運気アップに良いという情報を手に入れたので・・・。一応吉方位旅行です。

ゴールデンウィーク前、あいにくの天気のせいか、町全体はのんびりムード。温泉、ホテルの食事、ホテル以外での食事を満喫しました。
何も考えず、何の準備もなく食事ができるって最高。(もちろん後片付けもなし。)久しぶりの至福を味わいました。

松山は見所がぎゅっと凝縮している観光地。余裕を持っていろいろな場所を散策できます。夏目漱石正岡子規ゆかりの地でもあるので、ファンの方にはとても感慨深い場所だと思います。

 

今回の旅行でどうしても訪れたかったのは、《霧の森菓子工房》というお菓子屋さん。抹茶好きの私としては、どうしても《霧の森大福》を食べたくなったのです。(口コミ参照です)
《霧の森菓子工房》さん、月曜日は定休日とのことで、定休日翌日の火曜日の朝にお店に立ち寄りました。開店前から長蛇の列と口コミにあったのですが、さすがに平日の朝・・・。二人ほど並んでおられるだけでした。こじんまりした店内には抹茶を使用したお菓子が所狭しと並べられており、目移りしてしまいましたが《霧の森大福》一箱と抹茶プリン、ほうじ茶プリンを購入しました。いずれも美味でした。

今回の旅行で立ち寄った場所など記しておきます。
・伊佐爾波神社
円満寺
・道後ぎやまんガラスミュージアム
・萬翠壮
坂の上の雲ミュージアム
・霧の森菓子工房
・鯛めし もとやま

のんびり暖かく接してくださった松山の皆さん有難うございました。お世話になりました。

 

 

あゆむの場合(1)

季節はずれの気温。まだ4月なかばだというのに、初夏の陽気だ。
気温もそうだが、自分の就職活動も全くもって季節はずれだ。

商店街を少し入ったところで、純喫茶風といえば聞こえはいいが、近所の常連さんがサンダル履き、新聞持参で利用しそうな店を見つけた。
うちはこんな感じでやってます。よかったらどうぞ的な、訪れる客に全く媚びてない感じの店。(ここでいいや。ちょっと休憩。)

ドアを開けると、ドアベルが鳴る。「チリンチリン」これぞ昭和レトロ。
「いらっしゃいませー。お好きな席へどうぞー。」店のカウンター奥から年配の女性の声。入り口から2列目の席に座る。

年季が入ったテーブル、赤いベルベット風のシート。席に着くと、ふんわりとしたシルバーヘアの女性がにこやかにメニューを持ってきてくれた。ちらっと目を通しアイスコーヒーをたのむ。

壁には見覚えのない商品を手に、見覚えのない人物のセピア色のポスター。
” コーヒー、紅茶とご一緒にどうぞ ” 手書きコメントのついたチーズケーキの写真。ずいぶん前から何も変わってないんだろうな。気負ってないところがいいっちゃいい。

通路をはさんだ横の席には女性2人。テーブル中央に置かれた紙を覗き込み何やら神妙な様子。友人同士というわけでもなさそうだ。

運ばれてきたアイスコーヒーには、小ぶりの白い陶器製ピッチャーとステンレスピッチャーが添えられている。プラスチック容器のミルクとガムシロじゃない。それぞれから少しづつをアイスコーヒーに注ぎ、ストローを差し一口飲む。
アイスコーヒー用の豆を挽いた本格的な味。おいしい・・・ほっとする。
手ごたえの薄かった面接の残念な気分を少し和らげてくれる。(とりあえず頑張った。後は神のみぞ知る領域。)自分に言い聞かせもう一口飲む。

「えっ。何でわかるの」横の席から大きな声。
あまりに大きな声を出してしまったことを恥じるかのように、手を口に当てたまま話続ける女性。「おっしゃるとおりです。」

込み入った話なのだろうか。
あなた達の話は聞いていませんよをアピールするために携帯画面に見入っている振りをする。(何の話だろう)

やはりテーブル中央の紙を覗き込みながら話が進んでいるようだ。保険のセールス?はたまた語学学習?携帯画面に目を落としたまま聞き耳を立てる。

聞こえてくる会話の内容から察すると、どうやら占いのようだ。
大きな声を出してしまった女性は30代くらい。⇒ 占われている人。
4,50代くらいの女性。 ⇒ 占っている人。=占い師?だろうか。

「今年の5月頃までは、気分の落ち込んだ感じが続くかもしれません。でも、5月を少し過ぎた辺りから気持ちはグッと楽になるはずです。もう少しの辛抱ですかね。」
「大丈夫。良い時もあれば悪い時もあります。」
「でも、ずっと良いまま、ずっと悪いままはありません。星は動いています。人生も常に動きますから。」

「ずっと良いまま、ずっと悪いままはありません。星は動いています。人生も常に動きますから。」

「人生も常に動きますから・・・」我を忘れ、携帯画面から彼女たちへと視線を向けてしまう。
そうだ。そうだった。
「ずっと良いまま、ずっと悪いままはない。」
たまたま立ち寄った喫茶店で泣きそうになるとは、自分も結構きてるな・・・。

「ありがとうございました。そろそろ時間ですよね。」占ってもらっていた女性が椅子から立ち上がる。
「そうですね。そろそろですね。」壁の時計を見ながら占いの女性が答える。

占ってもらっていた女性は 「ごちそうさまでした。」とカウンター奥に声をかけ入り口横のレジへ向かう。
「ありがとうございましたー。」シルバーヘアーの女性が答える。

占ってもらっていた女性は口元を少し緩め、ドアの前で軽く頭を下げ店を出た。
「チリンチリン」

自分の他に客はおらず、占いの女性がテーブルを片付ける音とシルバーヘアーの女性が食器を洗う水音だけが静かな店内に響く。

むくむくと盛り上がってきた気持ちを抑えきれず、片付け途中の占いの女性に声をかけてしまう。
「あのー。先ほど耳にしてしまったのですが、占いをされる方なんですか。」

つづく・・・